2009年の20曲

もう2010年になってからずいぶん経ちますが、2009年の20曲を選んでみました。


スターライトP「スターライトトラベラー」


宇宙ヤバイ」のスターライトPのこの曲は、タイトル通り宇宙感あふれるスケールの大きな曲になっています。冒頭のシンセのフレーズからして素晴らしいですが、何と言ってもサビメロの素晴らしさが筆舌にし難いです。この曲は特定の時代感がないシンセポップですが、シンセサイザーメインでも、リズムは(打ち込みですが)生ドラムで非常に軽快ですし、メロディーも凝っているし、ギターも入っているし、どことなくギターポップ魂が感じられる曲だと思います。



school food punishment 「Art Line」(『air feel, color swim』)


個人的に2009年の主役と言っても良いくらい良く聴いたsfpです。トルネード竜巻無き後(復活するかも知れませんが)、sfpはポストロック・プログレ色濃厚なポップス・ロックを演奏するバンドの代表格として大活躍しており、頼もしい限りだと思います。本当はもっと売れてほしいですが。ぜひサクナクションみたいになっていただきたい。来るべきメジャーファーストフルアルバムは、そのシングル曲のレベルの高さを考えても年間ベスト級の名盤になることは確実なので、首を長くして待っています。



karimono「メロディック妹メタル」


2005年に作られた曲だそうですが、Meikoを使って作られたVocaloid曲です。曲は7分を超える長大なプログレポップです。私は佐野倉Pの名作MADでこの曲を知りました。リズムは終始変拍子で何度もリズムが変わるという変態チックなものですが、ロック的疾走感とポップ的な爽快感に溢れています。この複雑な曲を違和感なくさらっと聴かせるその技術力とセンスは尋常ではありません。長い曲ではありますが、曲の展開が複雑かつメロディーが良く、歌詞にもぎゅうぎゅうに情報が詰まっているなど、とにかく密度の濃い曲なので全く長く感じさせません。

karimonoさんは今は新曲を発表していないそうですが、Maltine Recordあたりでアルバムでも出してくれないものかと心待ちしています。




mother fall asleep「ボウイ」

http://www.myspace.com/motherfallasleep


mother fall asleepは、まだデモCDしか売り出していないバンドで余り曲数はないようですが、この「ボウイ」も「フラットワールド」も非常によい曲です。音は、非常にメロディアスで叙情性の高いものです。しかし、叙情性は高くても、どこか抑制が効いており、さらりと聴けます。バンプ・オブ・チキン以降のメロディアスなロックとシティーポップが出会った感じでしょうか。「ボウイ」は曲の基調を成すギターのアルペジオが切なく胸キュンで、曲自体も大変素晴らしいです。



OSTERproject「マージナル」


素晴らしく爽快で、でも仄かに切ない疾走ギターポップ。シンバルズ的と言うよりは、音ゲー的なのでしょう。緩急が疾走感を加速させるリズム、シンセストリングスのフレーズが素晴らしすぎます。



チロリロP「夕暮れチロリロリン」

個人的にここしばらくで最も技術的に衝撃を受けた曲です。無意味で馬鹿なフレーズを切り張りしたにもかかわらず、全体としては夕焼け感が漂い、切なさすら感じるという驚異の曲です。

また「夕焼けチロリロリン」の技術を応用して自分で作ったMAD曲も自分で良く聴いています。



Urchin Farm 「Fallin' Dance」(『EST』)

http://www.myspace.com/urchinfarm


時代は四つ打ちダンスということで、猛烈に四つ打ちダンスなこの曲は、ダンス的なノリの良さ、ロック的な勢い、ポップでキャッチーなメロディーを兼ね備えた非常に出来の良い曲だと思います。



1000say「Lostman」(『Microwave Herartbeat』)


こちらも四つ打ちダンスな一曲です。メロディーも猛烈にキャッチーです。



坂本真綾「Get No Satisfaction」(『かぜよみ』)


RoundTableお得意のストリングス+ギターポップという、アニメ+渋谷系の理想型のような曲だと思います。菅野よう子の曲のようなひねりがないストレートなポップスなので、坂本真綾史上最高の疾走感とキャッチーさを持つ曲だと思います。欲を言えば、ヴォーカルは坂本真綾より、もっと個性がないヘタウマみたいな人が歌ってくれればもっと良かったです。



相対性理論「四角革命」(『ハイファイ新書』)



minamiP「ミルクココア」



Swinging Popsicle「(a)slow star」(『Loud Out』)



Spangle Call Lilli Line「Russian Gothic bold」(『Isolation』)

http://musico.jp/contents/contents_index.aspx?id=r8UVQN



もそもそP「星が弧を描くように」



Scoobie Do「遺伝子狂騒曲」(『Sparkle』)



ケトラP「カドルヴェイン」



チーナ「トントンねぇねぇ」(『Shupoon!!』)

http://www.ongen.net/search_detail_track/track_id/tr0001458894/



dj newtown 「flying between stars (seikan hiko)」

http://maltinerecords.cs8.biz/24.html



ジンジャーP「自動演奏ピアノのために?」



飯島真理「Blueberry Jam」(『palette』)



とりあえず20曲選んでみましたが、私はもうメジャーやインディーズ、アマチュアやプロ、有料や無料といった外的なことには全く関係なく曲を聴いているので、色々な曲が混じっています。

また、20曲中9曲が無料で聴ける曲で、私の音楽生活にはもはやニコニコ動画Vocaloidは欠かせないと改めて実感しました。

とにかく自分好みの曲はいくらでも見つかるので、好きな曲を山ほど聴けてとても良い音楽環境でした。多分ポップミュージックにとっては、メジャーの衰退よりも、アマチュア音楽の隆盛の方が重要で、音楽文化の発展に寄与していると思います。もうどうしたって良い曲が出てこないわけがない状況はすっかり整っているので、今年も自分好みの曲を沢山見つけて聴きたいと思います。