ドイツ音楽市場2003年(8)
2002 - 2003 各年齢層の音楽市場に占める割合
例によって、先ず画像でアップした、統計を見て下さい。
先ず、音楽市場全体に占める各年齢層の割合を見てみると、現在の音楽市場の中心を占めるのが20代と30代であることが分かります。20代は人口比12.6%に対し音楽市場全体に占める割合が21.9%、30代は人口比18.1%に対して音楽市場に占める割合は27.5%です。20代と30代を合わせると、音楽市場全体の約半分を占めることになります。
10代はほぼ人口比とほぼ同じ12.2%、40代は人口比より若干多い20.3%、50代以上は人口比より遙かに少ない18.9%を占めています。
個人的に奇妙に思ったのは、10代20代の割合を足しても、市場全体の39.7%にしかならないのに、何故大々的に宣伝される音楽のほとんどは、ティーンエイジャー、せいぜい20代向けなのかということです。チャート音楽の大半も、若者向けばかりで、30代以上の大人がそんなに買っているとは思いにくいのですが。データがないので分かりませんが、30代以上が買っているのは、大半が旧譜のような気がするのですが、どうなのでしょうか。
ちなみに、2002年と2003年では、年齢層の分布はほとんど変わっていません。つまり、全年齢層で、だいたい等しく、売り上げが落ちているということだと思います。
各年齢層が特に好むジャンルを見てみると、10代は圧倒的にダンスミュージック、そしてロック、20代もダンス、そしてロック、30代はポップスとロック、40代はクラシック、50代以上は圧倒的にSchlager (ドイツの演歌)とクラシックになります。ポップスが全年齢層でまわりと満遍なく聞かれているのに対し、ダンスは圧倒的に若者、Schlager とクラシックは圧倒的に高齢層に聞かれているのが目立ちます。
年齢層別のCD 購入者の比率ですが、一番高いのは30代で60.2%、次に20代の55.4%、30代の49.1%、10代の44.8%、最後に50代以上の24.2%になります。
やはり、30代が最もCD の購買欲が高いことが分かります。しかし、全年齢層で、CD 購入者の比率は減っています。特に落ち込みが酷いのが10代と20代で、それぞれ2年前と比べで約10%ほど減っています。主力の30代も、2年で8.6%減です。逆に40代以上は、微減程度で、それほど大きな動きはありません。
インターネットを活発に使っている若年層で、特に購入者が減っていることから、この分析では、やはり違法コピーが売り上げ減少の原因になっていると推測しています。