Wir Sind Helden ぼくらのヒーローたちが帰ってくる。

2003年にファーストアルバム『Die Reklamation』(ディー・レクラマチオン)をリリースし、現在まで続くドイツ語ロックの流れの嚆矢となった現代ドイツポップミュージックの最重要バンドであるWir Sind Helden ヴィア・ズィント・ヘルデンが、カンヌのMidem 音楽メッセで「European Borders Breaker Award」輝きました

この賞は、ヨーロッパの若いミュージシャンに注目を集め、ヨーロッパの音楽の多様性を促進することを目的としており、Wir sind Helden は、母国以外のヨーロッパ25カ国で最も多くのCD を売ったドイツのニューカマーということで、この賞に選ばれました。彼らのアルバムがどの国で、どれくらい売れたのかという詳細は分かりませんが(ほとんどドイツ語圏のスイスとオーストリアだけのような)、いずれにせよWir Sind Helden は、ヨーロッパの他国でもそれなりに受け入れられたようです。


ちなみに他の受賞者は以下の通りです。Katie Melua (イギリス)、 Ana Johnsson (スウェーデン), Damien Rice (アイルランド), Corneille (フランス), Redrama (フィンランド), Benny Benassi (イタリア), The Raveonettes (デンマーク) und Myslovitz (ポーランド)。ちなみに私はこれらのアーティストをほとんど存じ上げません。


ここしばらくレコーディングを続けていたヘルデンたちですが、ついに待望のニューアルバムの発売日が決定しました。タイトルは「Von hier an blind 」 (フォン・ヒアー・アン・ブリント)発売日は4月4日です。

このタイトルは「盲目でここから」という意味で、現在のドイツの先の見えない閉塞した社会状況を仄めかすような意味深なものになっています。元々消費社会を痛烈に非難した「Guten Tag」でデビューした彼らだけあって、今度のアルバムでも、社会問題を扱った曲がかなりあることは想像できます。

また、このニューアルバムに先立って、先行シングル「Gekommen um zu bleiben」(ゲコメン・ウム・ツー・ブライベン)が3月7日に発売されます。この曲のタイトルは、「とどまるために来た」というもので、ドイツの社会民主主義を固持することを歌った歌なのだろうかと邪推させるような、これまた意味深にも受け取れるタイトルになっています。


2003年のWir Sind Helden の大成功の後、2004年にはSilbermondJuli などのドイツ語で歌うロックバンドが次々に大ブレイクし、今やブームとさえ言われるようにすらなりました。そのような状況の中で、ついにドイツ語ロックムーブメントの要であるWir Sind Helden のアルバムが発売されると言うことで、否応なく気にならざるを得ません。

間違いなく今年のドイツのポップスシーン最大の注目作になるであろうヘルデンたちの『Von hier an blind』、私も今からワクワクしています。