OVA 『Hellsing IV』

この間雑誌連載が終わった『Hellsing』のOVAを見ました。このシリーズは、かなり原作に忠実な絵柄で、クオリティーも高く、漫画をそのままアニメとして動かしてほしいファンには、非常に満足のいく出来になっていると思います。

第四巻は、魔弾の射手リップヴァーン・ウィンクルアーカードの戦いがメインになっています。リップヴァーン・ウィンクルの声がかわいらしかったので、あの残虐さ加減とのギャップが面白かったです。

作中を通じて人が喰われる場面、頭や手足が吹っ飛び、腸が飛び出る場面、銃で心臓を貫く場面など、残虐シーン目白押しです。原作では、血が黒ベタなので、残虐シーンにもスタイリッシュな美しさがありますが、アニメの場合普通に赤い血なので、かなりえぐい描写になっています。

また、吸血鬼であるリップヴァーンが、アーカードを恐れて逃げまどい、泣いたりしていますが、主人公が敵役よりも遙かに残虐で、血も涙もない化け物というのも凄い設定だと思いました。この巻を見ると、アーカードが悪役で、最後の大隊が主人公側のように見えます。

この巻の最大の見所は、何と言っても、漫画史上に残る名台詞である最後の大隊の少佐の大演説の場面でしょう。

OVAでは、原作とは異なり、少佐の演説をリップヴァーン・ウィンクルアーカードの戦いの後に回しています。リップヴァーンがアーカードに滅茶苦茶に陵辱され、惨殺された後、勝ち誇るアーカードを眺めながら、最後の大隊はリップヴァーンに手向けの言葉を贈り、大いに盛り上がったところで、少佐の演説が始まるのです。まさにクライマックスにふさわしい大演説でした。

あの場面が最後に来ると、次の巻が見たくなりますね。少年漫画スピリットに満ち満ちている『ヘルシング』には、相応しい終わり方だと思いました。


HELLSING IV〈通常版〉 [DVD]

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