陶芸虹の泉

三重県飯南郡飯高町に陶芸家の東健次氏が、1978年から30年間作り続けている巨大な陶芸作品があるそうです。この作品は、庭園に近いような広さの空間を東さんの陶芸作品で埋め尽くすというものらしいです。写真を見る限り、造形にしろ構想にしろ奇妙奇天烈と言うくらい独創的なもののようです。マニエリスム時代のグロッタを思い起こさせます。

この作品についての記事を読むと、フェルディナンド・シュヴァルの理想宮を思い起こします。長年にわたり作り続けているところもそうですし、作品の常軌を逸したスケールの大きさ、グロッタのような人工自然的な表現を行うことなど理想宮との共通点は多いです。しかし、シュヴァルは働きながら理想宮を作っていたのに対し、東さんは入場料だけで食べているそうで、作品に対する執念の度合いではシュヴァルをも上回るものがあると思います。

東さんはきちんと陶芸を学んだ人なので、この作品はアウトサイダー・アートには分類されないと思いますが、シュヴァルの理想宮以上にアール・ブリュットな彼の作品を見ると、やはりアートのインサイダーによるアール・ブリュットもあるよなあと思います。

とにかく凄そうなので、是非聖地巡礼に行かねばなるまいと思う次第です。


参考