内藤大助VS亀田大毅

事前にかなり舌戦が繰り広げられていたので、私もついつい釣られて今日行われた、チャンピオン内藤大助亀田大毅の世界戦を観てしまいました。しかし、この試合は、前代未聞の最悪の試合となってしまいました。

試合は亀田選手がパンチをもらわないようにガードをガチガチに固めて、ひたすら前に出続けながら、カウンターを狙うというものでした。ガードを固めてほとんど手数を出さないので、内藤選手もなかなか攻め手がなく、押し合いともみ合いばかりが続くという非常に単調な試合展開でした。ボクシングらしい攻防は余り見られず、これはいったい何の競技だろうと疑問に思うような試合でした。

亀田選手はたまにカウンターを狙う以外はほとんどパンチを出さずに、突進するばかりなので、内藤選手に手数で圧倒され、当然の事ながら判定では大差をつけられ完敗しました。

とにかく、この日の亀田選手は、バッティング、サミング、押し倒し、腿へのパンチ、傷口をグローブで擦るなどの反則技を出しまくっていたようです。(参考)これらの反則はレフェリーにほとんど注意されなかったので、内藤選手は非常に苦労したようです。特に最終12ラウンドには、意図的にタックルに行き、投げを打つという前代未聞の悪質な反則を犯し、観客を唖然とさせました。

 もみ合って倒れる場面が何度もあり、互いに減点を受けた。亀田大は最終12回、勝利をあきらめたのか、レスリングのように内藤を持ち上げて落とすなど、この回だけで3点も引かれた。なぜ、そんなことをするのか。王者はそう思った。「反則はとにかく、うまかった。そんな練習をしないで、もっとクリーンなボクシングを磨いた方がいい。もったいない」。痛烈な批判だった。

時事ドットコム

 一方でもみ合いになると、グローブを相手の目に入れる行為(サミング)や相手の足を止めるために太ももをたたく「見えない反則」もあった。試合後にその行為を淡々と打ち明けた内藤は「(亀田大は)思ったより防御勘があった。もっとクリーンにやればいいボクサーなのに」と将来性を認めた。

毎日jp


内藤選手と亀田選手は、元々非常に大きな実力差があり、亀田選手には勝ち目はほとんどないと見られてきました。そのため、実力が劣る亀田選手が反則技を使って勝ちに来るのではないかという予想もされていました。

しかし、内藤選手のペースを乱すことを目的にしたラフな攻撃はおおいにありうるでしょう。個人的には反則すれすれというか、反則そのものを仕掛けてくるんじゃないかということを恐れています。内藤選手はとにかく平常心を忘れないで戦って欲しいですね。

ボクシング愛にあふれた日記


最悪の予想が当たってしまったわけです。しかし、おそらく一生懸命練習してきたであろう裏技も内藤選手には通じず、亀田選手はほとんど良いところなしで敗北しました。

内藤選手も途中少しキレる場面がありましたし、まともなボクシングの試合にならなかったことに対して、内心相当に腸が煮えくり返っていたことと思います。にもかかわらず、試合後のインタビューでは亀田選手に余りとやかく言うこともなく、ファンに感謝を述べるなど大人な態度を見せ、人間的にも格が違うところを見せていたと思います。

事前の煽りもあり、試合でも予期せぬサプライズがあり、試合後も炎上祭りで楽しめるという意味ではプロレス的に面白い試合でしたが、格闘技としては、見ている最中もフラストレーションがたまり、見た後も気分が悪くなるような試合でした。


http://www.youtube.com/watch?v=x2x17zuqbKQ