神保町系

久しぶりに神保町を歩いてきました。日本特価書籍や小宮山書店、田村書店、厳松堂などを冷やかし、色々な本を眺めながら町歩きするのは楽しいですね。しかし、三省堂に行ったら、高い本棚が並ぶジュンク堂的な雰囲気に変わっていたので少し残念でした。あの棚が低く、通路が広く、見晴らしがよい雰囲気が好きだったのですが。

この日は、源喜堂に行き、「Royal Academy Pictures 1900」というイギリスのロイヤル・アカデミーのカタログを買いました。1900年だと、美術史ではすでに印象派以降の現代美術の時代として見なされ、旧来のアカデミズムの絵画はほとんど無視されていますが、この時代イギリスでもまだまだアカデミーが健在だったようで、カタログにはラファエロ前派や象徴派的な耽美的な絵画や、理想化された田園風景や少女を描いた甘ったるい絵画などが並んでいます。

この時代は、油絵やデッサン技術が頂点に達した時代ということで、有名な画家の作品はなくとも、全体的な技術水準は非常に高く、眺めて楽しいカタログになっていました。

「さぼうる」でミルクティーとチョコレートケーキをいただきながら、忘れ去られたアカデミズム美術のカタログをゆったりと眺めるというのは、大変贅沢な時間の使い方だと思う次第です。

他方、源喜堂の地下にあった雑誌店がなくなり、雑貨店になっていました。写真集やファッション雑誌を買うのに良くお世話になっていたのですが。寂しいものです。