アイドルマスター 伊織×走る

最近お気に入りのニコマスMADは、しちやんPの「アイドルマスター 伊織×走る」です。

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この動画で使われているのは、Key Sounds Labelの「走る」という曲で、歌っているのはeufoniusriyaです。曲は、エレクトロニカ調の神秘的なポップスです。映像は、ダンス動画にエフェクトを加えたものですが、エフェクトの使い方も全体の構成も良く考えて作られています。

曲冒頭は視聴者の関心を惹きつけるために、画面の色を変えたり、映像をオーバーラップさせたり、画面に線を入れたりとエフェクトを多用し、インパクトの強い映像にしています。これは、短いAメロから入り、短い間奏を跨ぎ、その後本編のAメロに入るという変則的な曲構成に合わせた演出でもあります。

AメロBメロは、エフェクトを極力抑えたシンプルなダンスシンクロになっています。引いたカメラのショットが多く、地味目ですが、要所要所で印象的な振りやアップを入れることで、視聴者を徐々に動画に引き込んでいきます。このような演出が行われているのは、曲のこの部分が、リズムを加えず、シンプルなメロディーで聞かせる静かな部分になっているからです。

サビでは一転して、紫や虹色のエフェクト、オーバーラップなどのエフェクトを多用し、キャラクターのアップを増やすことで、一気に盛り上げに来ます。

間奏では、メロディー部分とは異なる雰囲気を出すために、スローモーションを使い、画面の明度を一気に下げ、虹色をした背中を向けたキャラクター立ち姿の映像をオーバーラップさせ、なおかつニコマス動画ではほとんど見かけない輪郭が流れていくエフェクトを掛けています。これらの効果は、エレクトロニカ的な楽曲の神秘性と非常に良く合っています。このあたりの雰囲気は、ナオキPの諸作品と通じるところがあると感じました。

そして、極彩色の蝶が画面を埋め尽くし間奏が終わると同時に、映像は再びスローモーションから等速度に戻っていきます。この大サビでは、曲にリズムトラックが加わるので、神秘性に加え、躍動感も感じられるようになっています。前の部分でスローモーションが使われていたので、その対比で、大サビのダンスは非常に躍動感があるように感じられます。そして、画面全体に、目まぐるしく動く虹色のエフェクトがかけられます。また、ハレーションを起こすほど強い光のエフェクトが加えられています。

このめくるめくような虹色の光のエフェクトとダンス、そして演出の派手さが、楽曲のエレクトロニカ的な音や歌唱による神秘性とリズムによる躍動感、そして曲のクライマックスの盛り上がりに対応していることは、言うまでもありません。

この動画は、非常に光のエフェクトが綺麗なので、できればVeohで元動画をダウンロードして、高画質で見ることをお薦めします。

http://www.veoh.com/videos/v141603148XFXNKey

この動画は再生数が2000も行っていない埋もれた動画の一つですが、そんな動画の中にもこういった名作があるのが現在のニコマスMADの層の厚さを物語っていると思います。特に七夕革命以降、ニコマスの技術のインフレは、別次元のレベルに突入しているので、恐ろしいことになっていると思います。

Love Song

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