ジギタリス『SYZYGIA』 acoustic e.p

ノマディック・レコードジギタリスの『SYZYGIA』の楽曲のアコースティックバージョンが収録されたacoustic e.p のプレゼントがやっていたので応募したのですが、幸いにも当選しました。e.pと言っても5曲入っており、ボリュームも十分です。

acoustic e.p を聴いて感じたのは、ジギタリスの基礎体力の強さです。アルバム『SYZYGIA』では凝ったバンドサウンドを聴かせていた彼らですが、このアルバムでは当然のことながら、ほぼアコースティックギターだけのシンプルな演奏と歌で音作りをしています。

このような音作りだと、歌やメロディーと言った曲の根幹がしっかりしていないと退屈で聴けたものではないのですが、彼らの曲のアコースティックバージョンは、オリジナルにも負けないだけの良さがあります。

先ず驚いたのがヴォーカルの山本美禰子さんの歌の巧さです。彼女は、少しコブシを回すような感じの、民族っぽいテイストを入れた歌い方をするのですが、シンプルな伴奏だとその歌の上手さが際だちます。ファルセットになっても、声が全くぶれずに安定していますし、かなり歌い込んで、喉を鍛えているのだろうと思わせる、磨き抜かれた歌声でした。

個人的には、「ヘキサグラム」や「青い樹」のようなバンドサウンドが前面に出た曲でも、アコースティックバージョンを聴くと、非常にメロディーが良い、しっかりした曲だったことに驚きました。「青い樹」は、ボサノバのような軽快な伴奏という、オリジナルからは想像できないアレンジでしたが、これはこれで非常に良かったです。

アコースティックはごまかしが利かないので、アーティストの実力がストレートに出るものですが、ジギタリスは、曲も歌もしっかりとした実力派だなと感じました。今後の活動が、ますます楽しみになりました。


Myspace: http://www.myspace.com/digitalisjp

SYZYGIA

SYZYGIA