オリジナルな二次創作

ニコマスの黎明期を支えた人気プロデューサーに、ありすえPという方がいます。この方は既に引退されているのですが、私はこの方が活躍していた時期はニコマスを見ていなかったし、作品も全て削除されてしまったので、作品もほとんど見たことがありません。しかしその名前は、これまで数え切れないほど色々な動画のコメント欄やブログで見たことがあります。そのため、もはや伝説的なプロデューサーといっても良い存在なのだろうと思っていました。

先日メイPが、伊織の「フタリの記憶」を使った動画を投稿したのですが、この動画はありすえPが以前公開していた動画をリスペクトしたものです。


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この動画を見ると、彼の作品がどれほど愛されているかが良く分かります。また既に削除されてしまった動画のコメント欄も見ても、ありすえPがどれほど多くの人から愛されているのかが分かります。



ありすえPが引退したのは2007年の12月ですので、既に1年半前のことです。恐ろしく流行の速度が速いニコニコ動画では大昔といっても良いでしょう。にもかかわらず、ありすえPと彼の作品は、未だに多くの人から愛され続けています。ありすえPをリスペクトした動画も作られ続け、現在では「ありすえPリスペクト」というタグもでき、既に37の動画が登録されています。

ありすえPの作品はアイドルマスターというゲームの映像とキャラクター設定を使った二次創作ですが、たとえば彼の「フタリの記憶」で使われた伊織とやよいの関係は、彼が作り出したオリジナルのアイデアです。そしてメイPはそのアイデアを使って、さらに二次創作を作っています。しかしメイPも基本的なアイデアや構成をありすえPの元動画から借りながら、随所で自分のオリジナル表現を盛り込み、動画の質をさらに上げています。

ありすえPの作品をリスペクトした動画が継続的に作られ続けていることから明らかなように、ありすえPの作品は、多くのニコマスプロデューサーによって参照されるべき古典としての地位を既に確立しています。彼の作品は、これほどの尊敬と人気を集め、多くの人の心を深く動かしているので、やはり何か特別な力を持っていたのでしょう。

最近ニコマスを見ていて思うのは、二次創作でもオリジナルな表現は可能だし、何か名状しがたい凄さを持つ作品を作ることも可能なのではないかと言うことです。ありすえPリスペクトを見ると、いつまでも二次創作やCGMを軽んじているわけにはいかないのではないかと考えさせられます。


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