「夏の魔物」でロック革命

2006年に青森で当時若干19歳の若者が始めたロックフェスが「夏の魔物」です。私はこの伝説的な第一回目の「夏の魔物」に参加しましたが、恐ろしくロック濃度の濃い熱すぎるロックフェスでした。*1

この「夏の魔物」の主催者成田大致さんが、自身のブログで「全ロックファンのみなさん、目を覚ましてください!!!」という檄文をぶちかましています。成田さんは、現在の日本では中高生がロックを聴かなくなり、バンドをやらなくなっており、野心ある若手のロックバンドが出てきていないので、ロックの伝統を引き継ぐべく世代交代をしなければならないと主張しています。

今の日本のロック界に必要なことは、世代交代である。
もうどこかで世代交代をしないとこの国のロックシーンはヤバイことになる。
こうなってしまったのは、若手が育ってこないのが原因だ。
だからピークが過ぎたけど、人気のあるバンドがいまだにトップにい続けているのだ。
いや若手は出てきてはいるが、彼らの正当後継者であるバンドたちが今いない。
世代交代の遅れによるマンネリ。本質的なものを見失ったロック界。
『別に武道館でライブをやりたいとか、そういうのは全然ないから。』
『Mステ?うちらの中ではそういうのはなしですね』
『ミッシェルとか前の時代の人たちは別物だと思ってます』
そんな若いやつらが、メインストリームで雑誌の表紙を飾っている時点でおかしい。
前の世代への尊敬の念も感じられない。
先駆者たちが背負ってきた歴史を、やつらは背負うことは出来なかった。

(中略)

ロックはいつだってティーンエイジャーのものじゃなきゃいけない。
しかし2009年のこの今。
本来ロックを支えるファン層であるべき、中高生のロック離れやバンド離れが加速している。
彼らに向けたバンドが、今のこの日本には必要なのだ。
今あるロックなんて、キッズたちにフィットするわけがないじゃないか。
音楽をキッズたちの手に、取り戻させなければいけない。
僕はあの日のマリーズを見たとき、確信したのだ。
彼らならばきっと、やってくれるだろうと。
キッズたちのためにも、今こそ立ち上がって、
本気で時代を取りにいかないといけないんだ。
日本のロックの未来を賭けた戦いだ。


前のブログの記事にも書いたけど、大事なことだからもう一度言おうと思います。
ミッシェルガンエレファントが渡しそびれたバトンが、今やっと次の世代に渡されるのです。
俺たちには明日が、未来があるのだ。
その未来は、今なのだ。今しかないのだ。
ゴッドの死をチャンスに変えろ。
清志郎さんがくれたロックの変革期を無駄にしてはいけないのだ。
時はきた!それだけだ。
みんなで日本ロック界を震撼させる大事件、革命を起こしてやろうじゃないか。
これは歴史が変わるその瞬間を、リアルタイムで、現場で、生で感じれるチャンスです。
毛皮のマリーズが、日本のロックの未来への扉を蹴飛ばす瞬間を、ぜひ見にきてください。


http://blog.livedoor.jp/daichi69twb/archives/51650948.html

成田さんがここで述べているような日本のロックの状況が事実と合致しているかどうかは、個人的には重要な問題ではないと思っています。というのは、成田さんが述べているのは、自らのロックの理想を実現したい、実現するためにこうしたいという、事実と言うより行動に関わることだからです。日本のロックを革命したいという大きな野望はなかなか口にできるものではありませんし、口にしたとしても単なる大言壮語になりがちだろうと思います。

ただし、成田さんは、自分でロックバンドもやっており、ロックフェスまで始めてしまったという類い希な行動力の持ち主で、彼は口だけの人間ではなく、青森あるいは日本のロックを革命しようと本気で行動している人です。

成田さんは、今回の「夏の魔物」の大トリを、若手バンド毛皮のマリーズにまかせるそうです。果たして毛皮のマリーズが他の錚々たるバンドを圧倒し、見事に大トリを勤め、今後のし上がっていけるかどうかは分かりませんが、やれるもんならやってもらおうじゃねえかと私は期待しています。毛皮のマリーズの志磨遼平さんも、自身のブログで激しい決意表明をぶち上げています。本人たちはやる気満々です。

時代を この手で奪いとるコトを

「革命」と 呼ぶのなら


夏の魔物、という ロック・フェスティバルは

革命の 最前線の場になります




そして 決起元年、となる

今年の 夏の魔物


大トリ、つまり ヘッドライナーは

我々 毛皮のマリーズが 務めさせてもらう



いろいろ もう めんどくせえんだ

ハデに やらせてもらうぜ



バカ!バカ!バカ!


http://blog.oricon.co.jp/kegawa/archive/11/0

おそらく今度の「夏の魔物」は、野心と熱意ある若者たちが暴走するロックフェスとなるでしょう。それだけでもう私はワクワクしてきます。もちろん普通に考えれば、ロックの革命などは起こらないでしょう。「夏の魔物」は、その場では非常に盛り上がるが、日本のロック界全体にはほとんど影響を及ぼさない可能性が高いでしょう。

でも、何が起こるかなんて誰にも分からないわけで、もしかすると万が一本当に革命の狼煙を上げる一日になる可能性だって全くないわけではありません。革命がいつ起こるなんて、誰にも分からないのです。

こういう無謀なことをやろうとする若者を、私は断固として支持するので、今年の「夏の魔物」は万難を排して参戦するつもりです。「夏の魔物」は相変わらず日本を代表するライヴバンドばかりが集っているので、つまらないフェスになるということは絶対にありえません。それに加え、今年は主催者が革命を起こそうと勝負に来ているので、これは面白くならないわけがありません。こんな熱いフェスは他にないので、今からわくわくして仕方がありません。

7月18日 青森県つがる市 森田町 つがる地球村円形劇場
【AOMORI ROCK FESTIVAL '09 〜夏の魔物〜】
サンボマスター
ギターウルフ
ゆらゆら帝国
eastern youth
THE 卍(ROLLY、佐藤研二、高橋ロジャー和久)
フラワーカンパニーズ
曽我部恵一バンド
三上寛
小島麻由美
ズボンズ
THE BEACHES
KING BROTHERS
THE NEATBEATS
THE BAWDIES
つしまみれ
毛皮のマリーズ
黒猫チェルシー
THE WAYBARK
MC.アントーニオ本多

http://blog.livedoor.jp/daichi69twb/archives/51648188.html