Dixie Chicks Top of the World Tour (1)

私はドイツに来てから、ずいぶんとライヴDVD を買うようになったのですが、それはこちらではDVD の値段が非常に安いからです。ライヴDVD 一枚当たり、だいたい10〜20ユーロとCD と余り変わらない値段で買えるので、同じ買うなら、DVD を買った方がお得な気がして、ついついDVD を買ってしまいます。個人的に、作り込まれた録音盤よりも、生々しさのあるライヴ盤の方が好きなこともあり、余計にDVD を買うようになりました。


最近良く聴いているのが、2003年に発売されたDixie Chicks「Top of the World Tour」のライヴDVDです。

Dixie Chicks は、アメリカのカントリー界を代表する売れっ子カントリーグループです。メンバーは、ヴォーカルのNatalie MainesフィドルとコーラスのMartlie MaguireバンジョーとコーラスのEmily Robinson の女性三人組です。メンバーはいずれも若い女性で、ルックスもかなりのものですが、アイドルグループとは口が裂けても言えない、文句無しの実力派です。

日本では全く人気がなく、余り情報が伝わってこないカントリーですが、アメリカでは現在でも人気を保っており、もの凄いセールスを上げるカントリーミュージシャンは沢山います。その中でもDixie Chicks は、現在のアメリカのカントリー界を代表するトップグループと言って良いでしょう。ゴシップ的な部分では、カントリーグループにも関わらず、ブッシュ大統領を批判したことが日本でも話題になったので、ご記憶の方も多いかもしれません。


私がDixie Chicks に注目するきっかけになったのは、彼女達が、Fleetwood Mac 「Landslide」をカヴァーしていたからです。「Landslide」は『Fantastic Macの中でStievie Nicks が歌っていた曲ですが、Smashing Pumpkins Tori Amos たちにもカヴァーされるなど、Fleetwood Mac を代表するような名曲です。

Dixie Chicks は、サードアルバム『Home』からのシングルとしてこの「Landslide」をカヴァーしたのですが、これが素晴らしい出来だったのです。「Landslide」は、元々非常に地味で、アコースティックな曲でしたが、Dixie Chicks は、この曲を、見事にブルーグラスに解釈し直していました。曲の冒頭でバンジョーが鳴り始め、コブシの回った歌声が響くと、後は彼女達の独壇場で、カヴァーとは思えないくらい、原曲を完全にカントリー色に染め上げていました。

特に素晴らしかったのが、そのコーラスワークです。原曲はStievie Nicks が1人で歌っているのですが、Dixie Chicks は、3人で厚みのあるコーラスを聴かせていました。このコーラスアレンジがまた素晴らしく、Dixie Chicks バージョンを聴いてしまうと、オリジナルを聴いた時に、コーラスがないのが物足りなくなるほど、曲に合ったコーラスアレンジをしていました。

オリジナルと甲乙付けがたいほど素晴らしい彼女達のカヴァーを聴き、その実力を見せつけられたため、それ以来Dixie Chicks は、私にとってかなり気になるグループになっていました。そして、やっぱり、生で歌われる「Land Slide」が聴きたいということで、思わずライヴDVD を買ってしまったというわけです。


などと、徒然なるままに書いていたら、いつの間にか長くなってしまったので、続きはまた明日書くことにします。