ドイツ語で歌うアイドルバンドTokio Hotel 登場

このところ、ドイツのシングルチャートの一位を占領しているのが、Tokio Hotel 「Durch den Monsun デュルヒ・デン・モンスーン」という曲です。

このTokio Hotel は、中高生4人によるバンドで、この曲がデビュー曲です。彼らは、デビュー曲で、一気にシングルチャートのトップに躍り出てきました。曲は、キャッチーなメロディーに、グランジ的なサウンドという、90年代後半以降の保守的なアメリカンロックバンドのロックという感じです。サウンドはヘヴィー目で、プロモーションビデオも、画面が暗い、重そうな感じで作られていますが、何分歌うのが声のかわいらしい少年なので、どことなくちぐはぐな印象を受けます。しかし、完成度の高い、良くできた曲だと思います。

このような少年たちのバンドなので、非常に商業的な意図、あるいはレコード会社の売り込みが露骨に見えるものですが、彼らは、英語ではなく、ドイツ語で歌っています。昨年末辺りから、英語で歌うよりも、ドイツ語で歌う方が売れるとレコード会社が考えるようになったので、英語で歌うバンドの方が契約が取りにくくなったと言われています。

ドイツ語ポップスが商業的に大成功したことで、従来なら英語で歌っていたような商業的なグループも、ドイツ語で歌うことを求められつつあることが伺えます。今後は、アイドルも、どんどんドイツ語で歌い、以前私が指摘した、ドイツ語ロックニューウェーブの担い手が、インディーロックと結びつけられて考えられる傾向は、急速に薄れるのではないかと思います。つまり、ドイツ語で歌うと言うことが、特別なことではなく、当たり前になりつつあると思います。


トキオ・ホテル

トキオ・ホテル