『スウィングガールズ』
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2005/03/25
- メディア: DVD
- 購入: 4人 クリック: 183回
- この商品を含むブログ (181件) を見る
- 都会から見た地方のイメージがふんだんに出てきて、なんとも嫌な感じ。
- 部活ものという青春映画の定番の形式だけを取り出し、内面的成長、恋愛、思春期の儚さ、若さの煌めきなどの中味を全部捨てている。純粋に映画的に盛り上がることだけを目的とした、娯楽のための娯楽映画。青春映画かと思って見始めたら、全然違ったので意外だった。一番盛り上がる場面で、余韻も一切無しに終わるところが、この映画らしい。この泥臭い映画が、現代的な雰囲気を醸し出しているとしたら、あえて物語を排除し、観客の感情を高揚させる形式のトレースに徹したことによるものだろう。
- ファンタジーとしての青春映画ではないので、東北を舞台にする必要性はないように見えるが、単なるネタとして舞台を使っているところはドライ。
- キャラクターの背景や内面を一切描かず、完全に類型として登場人物を描く手つきは、非常にドライ。
- 映画が始まるとすぐに、非現実的なご都合主義の乱発に辟易させられたが、余りに大量に投入されたので、そのうち慣れてきて、気にならなくなって来た。凄い力業。映画を面白くするためのアイデア投入の労は厭わないところは好感が持てる。
- 内容はコメディーだが、普通の映画のように撮っているので、映画内でのリアリティーの審級は混乱している。また、面白い絵もないし、画面の質感や照明も、しょぼい日本映画という感じ。ただ、女の子たちは生き生きと描かれており、演奏シーンにも勢いと生々しさがあるので、一番重要な部分は外していない。
- 映画の完成度はそれほど高くはないと思うが、サービスが盛りだくさんなので結構面白い。「ああ、面白かった!」以上でも以下でもない映画で、見た後の印象はさわやか。