アウトサイダー・アートとお金

映画でも、音楽でも何でもそうですが、表現が社会的にどのように位置づけられ、機能するかということを考えた場合、どうしても表現を成り立たせる基礎について考えなければならなくなると思います。要するに、市場、産業というお金の問題を考えざるをえないということです。

アウトサイダー・アートについて考えるときでも、おそらく美術市場についての考察は必要不可欠になると思います。というのは、アウトサイダー・アートとは、本来美術市場の外に存在していた作品を、市場の中に引き入れるという営みであるからです。市場を通して流通しない美術作品は、美術業界の外に位置し続け、アートにはなりません。

そのため、アウトサイダーアートが成立する基盤である美術市場を理解しない限り、アウトサイダー・アートに対する理解が深まることもないのだろうと思います。