『赤毛のアン』 OP「きこえるかしら」、ED「さめない夢」

赤毛のアン』と言えば、あの押井守でさえ感嘆したという、高畑勲による名作アニメですが、オープニングとエンディングテーマの素晴らしさも筆舌にし難いものがあります。

オープニングの「きこえるかしら」は、金管楽器が醸し出す豪華さと、弦楽器とメロディーの持つ流麗さが一体となった曲です。エンディングの「さめない夢」は、冒頭のピアノのフレーズが印象的で、静かな部分と音圧の強い部分の差が著しい、起伏に富んだ一曲になっています。どちらの曲も、短い時間の中に、幾つもの起伏を織り込んでおり、演奏、メロディーともに大変な密度で作られています。

この曲を作編曲した三善晃氏は、アカデミックな訓練を受けた作曲家だったそうで、この曲からもハイ・カルチャーの持つ重厚さのようなものが感じられるように思います。

松浦晋也のL/D」による解説(リンク