Perfume 「Seventh Heaven」

ニューシングル「ポリリズム」が、見事オリコン7位に入り一躍人気グループの仲間入りをしたPerfume ですが、長い間中田ヤスタカの音楽の愛好家はアイドルに関心がなかった、アイドルが好きな層は中田ヤスタカ的なサウンドに関心がなかったということで、つい最近までアキバ系アイドルとして売り出したことが、彼女たちの人気の足を引っ張っていたという気がしないでもないです。

中田ヤスタカの高品質な楽曲をひっさげて、木村カエラハルカリ的にサブカルアイドルとして大々的に売り出せば、もっと早く売れた気もします。しかし、最近は、アイドルだけど高品質な曲を歌うことが浸透し、音楽愛好家とアイドルオタクの両方をファンとして獲得することができたので、末永く活躍することを考えた場合これで良かった気もします。本当に、売れずに解散にならずに良かったです。

それはさておき、タイトル通り実際にポリリズムを使うというアバンギャルドなポップスである「ポリリズム」も素晴らしいですが、カップリングの「Seventh Heaven」がタイトル曲に劣らない名曲になっています。この曲は「Wonder2」系統のメローなポップスなのですが、これまでのPerfume の曲の中でも最も普通のJ-Pop 的な曲に仕上がっています。リズムは四つ打ちですが、電子ピアノの音色が使われているために、テクノ的な無機質さがかなり打ち消されています。

しかし、この曲の良さは、単純にそのメロディーの良さによるところが大きいと思います。中田ヤスタカは、主にサウンドの高品質さを賞賛されることが多いように思いますが、個人的には、彼の真骨頂はそのメロディーメーカーぶりにあるのではないかと思います。最近は、中田ヤスタカ的なサウンドによって作られた楽曲を良く耳にするようになりました。おそらく、それっぽいサウンドを作ることはそれほど難しくはないのでしょう。しかし、中田ヤスタカほど良いメロディーを書ける人は余りいないように思います。

いずれにせよ、「Seventh Heaven」は、ピアノ一本の伴奏でも十分名曲足りえる強度を持ったメロディーを持つ曲だと思います。