ジョックとナード

アメリカの学校には、ジョックやナードなどの厳格なヒエラルキーが存在するそうです。

ジョックはWikipedia の「ジョック」の項によると以下のような人のようです。

ジョック(Jock)とは、アメリカ合衆国における人の類型のひとつで、狭義ではアスリートの男性を指し、広義では同国の社会、特に学校社会のもとでの、スポーツマンを主とする人気者の男性を名詞として総称する。

(中略)

アメリカ合衆国の一般的な学校(特に高校)社会では、各々の生徒の特質によるところの階層というべきものが形作られる。これら各々の階層への帰属がその生徒の学校生活の様相を決定し、また学校生活の様相によってその生徒の属しうる階層が決定される。

多くの場合において5段階程度に分かれ成されるこれら階層は、異階層間の交流関係を主従・対立という上下関係に基づくそれのほかにまず持たず、その様は厳然たる階級社会の様相を呈す(後述)。

そしてその頂点に位置するのが体育会系の男子生徒達とそれを補佐するチアリーダーの女子生徒達の属す階層であり、前者を指してジョック、前者の属す階層または、前者を集団的にジョックス(Jocks)という。

Wikipedia: 「ジョック


他方、ジョックの対極に位置するナードは、やはりWikipedia によると以下のような人だそうです。

ジョックという存在の対極として語られるのが『ナード』という存在である。

ナード(Nerd)とは、明瞭なる定義は存在せぬものの、一般には『スポーツを不得手とする種類の者』、特には『スポーツ以外の趣味に打ち込む者』のことで、しばしばジョックと二項対立をなす存在として、そのなかでジョックに虐げられる存在として語られる。背景には、スポーツ以外の『情熱的な趣味』を持つ者をあくまで変人であると見做す風潮があり、加えて、その者が持つ趣味の『知識』の要求の度合いが大なればなるほど、その者が受ける他者からの『ナード』としての認識も強くなり、もって『ジョック』の対極に近づいてゆく。
例として、

  • ギーク(オタクなど)
  • あらゆる文化系
  • 音楽系(ロック、パンク、メタルなど、特定の音楽に傾倒する者)
  • バンド・ギーク吹奏楽、マーチングバンドなどに携わる者)
  • ゴス
  • インテリ

などが挙げられる『ナード』は、男の王道たるジョック、女の華の絨毯路たるチアに対して、これら『メインストリーム』から外れた二流の者の至る道であると、平たくは『敗者の受け皿』であるとしばしば捉えられる。

Wikipedia: 「ジョック


パンクスやメタラー、ゴスは、学校でも居場所がなく、蔑まれた存在だと言われますが、彼らは学校ヒエラルキーの中でナード、あるいは「Loser」という下位集団に属しているそうです。このようなヒエラルキーの存在を踏まえると、コアなパンクスが、ジョックス的に明るく爽やかなスケボー少年たち御用達のポップパンクを、自分たちの敵と毛嫌いする気持ちが良く分かりますね。

レディー・ソヴァリンも、学校で余り上手く行かずに、結局学校を辞めてしまったようですが、イギリスの学校にも同様のヒエラルキーがあるのでしょうか。



日本では、ジョックとナード的なヒエラルキーは、「スクールカースト」というかたちで表現されることがあるようです。はてなキーワードの「スクールカースト」の項で、詳細な解説があります。また、関連の記事にリンクも貼られています。

Wikipedia のジョックの記事も、はてなキーワードスクールカーストの記事も、鬼気迫るほど充実した内容であり、学校で受けた屈辱の恨みというのは、根強く残るものなのだと思わされます。