宇多丸×掟ポルシェがPerfume を語る

Yomiuri Online で、宇多丸さんと掟ポルシェさんがPerfumeについて語った長文対談が掲載されていました。これまでのPerfume の歴史やアイドルポップスの歴史まで見据えた非常に視野の広い、批評的な対談になっています。

宇多丸×掟対談 25000字対談

 掟 ファンも作り手も、評論家である我々でさえもね。Perfumeの新曲を評して、宇多丸さんは「正義は勝つ」っていう言葉を使ってましたけど、本当に毎回ライブを見て、ちょっとウルッと来るのは、やっぱり正義が勝ってる様を見ちゃうからなんでしょうね。

 宇多丸 アイドル好きにとって、この二十数年間は基本的に、「正義なんか勝たないよ。この世は闇だよ!」っていうことばっかりだったわけですよ。もう本当、なんでこんなの好きなんだろうって自分を呪うようなね。

宇多丸×掟対談【第8章 奇跡】」


Perfume が売れた最大の理由は、この対談でも述べられているし、Perfume の三人も述べているように、中田ヤスタカの楽曲が圧倒的に優れていたからだろうと思います。他に色々偶然が重なったというのもあると思いますが、楽曲が優れていなければPerfume は絶対に売れていなかったことを考えると、やはりPerfume ブレイクの最大の功労者は中田ヤスタカと言うことになるかと思います。

良い音楽、良い曲なら売れるというわけではないということは、別にアイドルポップスに限った話ではなく、インディーポップスやロックでも全くいっしょです。このことは、ある程度音楽ファンをやっていれば、嫌でも思い知らされる冷徹な事実です。優れたアーティストやバンドは沢山いますが、商業的に成功するのは、本当に極一部です。売れる売れないは、プロモーションの巧拙やその時々の時流に合うかどうかに左右されるかなり偶然的なものです。そういう意味では、Perfume がきちんと売れたことは、良い音楽がきちんと売れたという意味で、音楽ファンにとっても「正義が勝った」と喜べることではないでしょうか。


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