R.I.P

You Tube にはありとあらゆる動画がアップされています。その中には、友人や家族の死を悼むためのビデオが無数に含まれていることに、今更ながら気づきました。

R.I.P はRest In Peace、つまり「安らかに眠れ」という死者を悼むときに使う言葉ですが、You Tube にはこのような死者を悼む動画が無数にアップされています。時にはその亡くなった友人の写真を載せたり、時には抽象的な写真や死を悼む言葉を載せたり、ビデオブログで語ったり、悲しみをラップに乗せて歌うなどして、数多くの人が動画で友人や家族の死を悼んでいました。中には亡くなった方の名前や、自動車事故や自殺などの死因を書いてある動画もありました。

これらの動画には、たまたまビデオを見かけた視聴者による、お悔やみのコメントがついていることもあります。従来はある人の死は、親族や地域共同体の人たちで悼んだものですが、現代ではYou Tube を通して、全く知らない人と悲しみを共有するということもあるようです。死を悼むというのは、人間の原初的な感情なので、誰かがある人の死を悼んでいる場合、その人のことを全く知らなくても、自然と死を悼む気持ちになります。

これらの死者を悼むためのビデオは、ほとんどお墓に近いものだと思います。You Tube が多くの人たちの鎮魂の場となっているというのは、私にとって大きな驚きでした。