富樫義博『HUNTER×HUNTER』No.24
長い間休載されもう駄目だろうと思っていたら復活した『HUNTER×HUNTER』ですが、毎週圧倒的な引きの強さで次週を楽しみにさせる、少年漫画の王道を行く漫画になっていると思います。
この24巻も、話は決戦前夜の細々した話の連続という感じで余り進みませんが、伏線をこれでもかと張りまくっており、読者を飽きさせません。驚異的なのはその構成力で、王とコムギの関係の深まりを軸にしながら、プフの心配、レオルの思惑、モラウのバトル、パームの潜入、ノブの潜入と廃人化、キルアとイカルゴの友情など、各々のキャラクターが各々の思惑で動き、その個々の動きが相互に作用し、さらなる動きを生み出していく様を複眼的に追いかけています。この複雑な展開を読みやすくまとめ、なおかつ先の展開に対する読者の興味をかきたてる富樫の手腕は、並々ならぬものがあると思います。
この圧倒的な引きの強さは、現在連載中の人気少年漫画の中でも際だっており、引きの強い少年漫画を描かせたら富樫の右に出る者はいないと思わされます。
- 作者: 冨樫義博
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/10/04
- メディア: コミック
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