Cocco 仙台サンプラザ

Cocco のコンサートに行って来ました。私が彼女を生で見たのは活動停止前の『ラプンツェル』の時のツアーで、復帰後は初めてになります。こっこは音楽性も、音楽に向かう姿勢も以前とはかなり変わっているので、非常に楽しみにして行きました。

先ず客層ですが、感じとしては8割くらいと圧倒的に女性に偏っており、男性は疎らにしか見ませんでした。会場の仙台サンプラザは中規模ホールでかなり見やすい会場でした。

コンサートが始まる前にはミラーボールが周り、クリスマスの音楽が流れており、ずいぶん丸くなったなと思いました。コンサートが始まっても、彼女は以前のようなヘッドバンキングは行わず、普通に歌っていました。何曲か激しい曲も歌ったのですが、やはり以前と比べるとずいぶん穏やかなもので、人気のある持ち歌を歌うプロフェッショナルという感じでした。

以前の彼女は序盤からペース配分を全く考えず全力で歌うため、途中から息も絶え絶えになったりしていましたが、今回は終始安定して、伸びやかな歌声を聴かせてくれました。

MC も結構あったのですが、観客とコミュニケーションをしながら、色々と楽しませようというサービス精神が感じられました。彼女は東京で友だちのところでその人の家族と一緒に住んでいるそうですが、その人が宮城出身なので、友だちの故郷で歌えるのは嬉しいとリップサービスをしたり、ご当地CMソングを歌ったり、バレエを踊ったりしていました。

また、愛という表現を頻繁に使っていたのも印象的でした。Cocco が客席にタオルを投げ込んだとき、もっとくれと言った人に対し、愛は求めるものではなく与えるものです、などと冗談めかして言っていたり、友だちを迎えるとき自分の住む街がとても良い街で大好きだと言えるようにしたいと言うなど、ポジティブな言動が多かったです。

彼女の思考がポジティブになったのに呼応しているのだろうと思いますが、歌も一層柔らかさと透明感を増していました。そのため、昔の曲よりは最近の曲、アップテンポや激しい曲よりも、スローで柔らかい雰囲気の曲の方が圧倒的に良かったです。

全体的に非常にゆったりと良い曲と良い歌を聴くというコンサートになっており、サービス精神満点なショーになっていました。こっこの歌にはかつてのような怪物じみた凄みはもうありませんが、やはり音楽に選ばれた素晴らしい歌い手だと思いました。私はデビュー当初からのファンなので、ずいぶんと成長したなと感慨深く感じました。



きらきら(初回限定盤)

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