怒濤のリリースラッシュ
最近個人的な注目盤が立て続けに出てきています。オリコンチャートは旧態依然としていますが、マイナーメジャーレベルだとヤバイ連中がゴロゴロしているので、日本のポップスシーンの充実度が伺えます。
日本が世界に誇るチップチューンの第一人者YMCK のメジャーデビューアルバムが出ました。YMCK はファミコンレベルの薄い音でも、曲さえ良ければ素晴らしい高品質ポップスになることを証明していると思います。リード曲の「Starlight」はYMCK 史上屈指の上がる曲になっています。また、8bitというより16bit な感じのPV の出来の凄さにも驚かされました。
APOGEE 『Touch in Light』
プログレチックな凝りまくった演奏をしているのに、ちゃんとポップスとして聴けるという点ではトルネード竜巻に匹敵するバンドAPOGEE の二枚目のアルバムが出ました。シンセサイザーの音色、ベースラインだけでお腹一杯になるほど演奏やサウンドが素晴らしいです。さらに、ハイトーンのヴォーカルとメロディーも良いんだから非の打ち所がありません。
サカナクション『Night Fishing』
シンセを多用する凝ったポップスという意味ではAPOGEE とややかぶっているサカナクションですが、こちらはより分かりやすく、素直な感じの仕上がりになっています。やはり、シンセの音色やリズムパターンだけでもお腹一杯になる充実したサウンドになっています。
ala 『SEVEN COLORS SAUCE WITH YOU 』
ブラスを多用したゴージャスなサウンドに乗せ、ジャズやフュージョン、ソウルやサンバなど様々な音楽のテイストをごたまぜにしたバンドala のミニアルバムが出ました。このバンドも、演奏は凄く凝っているのに、肩肘張らず楽しく聴けるポップさを持っています。
これらのバンドはどれもサウンドが特徴的だし、非常に凝っていて、音楽マニアを唸らせるような奥深さを持っていながら、メロディーがしっかりしていて、歌ものポップスとしても十二分に聴けるというものばかりです。
この10年で日本のロックやポップスのサウンド、特にリズムのレベルは格段に上がっていると思いますが、にもかかわらずリズムやサウンド一辺倒にならず、決して歌心が失われないのが、歌謡の国日本のバンドの特徴なのでしょう。