アラバキロックフェスティバル2008 一日目

桜も散ったゴールデンウィーク頭の週末といえば、すっかり恒例となったアラバキロックフェスティバルの開催日です。というわけで、アラバキの一日目に行ってきました。

最初に見たのは、サンボマスターです。今回はアラハバキという小さめのステージで演奏したのですが、途方もなく後ろの方まで人で埋まっていました。そのためかなり後ろの方で聴くことになりました。音が小さいので、少々残念でした。この日は山口さんの喉の調子が悪いのか、声が余り出ていないし、音程が全然取れていませんでした。音程の高いところは低く下げてしまっていましたし、わざと歌い方を崩しているというよりは、単に調子が悪かったという印象を受けました。この日最後に演奏した「I Love You」などは非常にメロディーの美しい曲なので、きちんとした音程で聴きたかったと思い残念に思いました。サンボマスターと言えば、本当に素晴らしいライヴバンドですが、やはり不調の時もあるのかなと思いました。


次に見たのは、津軽ステージで演奏したお洒落ハウスユニットi-depです。サンボマスターのライヴの後すぐに移動したのですが、やたらと人が多く、通路が混んでいたので、一曲目の「Sign of Summer」の前半が聴けませんでした。一番楽しみにしていた曲なのに(T_T) i-dep は打ち込み音楽という印象がありましたが、ライヴではリズム隊も打ち込みではなく生でした。リズムは打ち込みのように正確でした。また、ヴォーカルのない曲ではサックスの人がフロントマンのように前に出て、客を煽っていました。i-dep 曲の象徴とも言えるヴォコーダーの掛かった女性ヴォーカルを切り張りして作られたコーラスも、キーボードで生で再現していました。生で演奏しているのですが、音源のあのサウンドが見事に再現されており、聴いていて非常に気持ち良かったです。

曲もアレンジも洗練されているし、演奏も非常に上手いし、お洒落なだけでなく楽しく踊れるし、非常にライヴ映えするバンドだと思いました。最後の曲の「Rainbow」のコーラスに合わせながら、手を振り身体を揺らす瞬間は最高に気持ち良かったです。個人的には、この日のベストアクトでした。


次に見たのはミドリです。私は昨年のアラバキで彼らのライヴを初めて見て衝撃を受けたのですが、一年経ってすっかり人気バンドになって戻ってきてくれました。演奏の激しさは相変わらずで、特に勢いのあるエレキピアノが演奏の荒々しさを出していたように思います。かなり後ろの方までモッシュピットになっていました。この日はヴォーカルの後藤まり子が、ステージ横にある高さ3メートルくらいのスピーカーに登るだけでなく、客席に降りてきて倒れている女の子を周りの男が助けないことを説教し、最後の曲では高さが4〜5メートルあるのではないかというスピーカーの上に登って歌い、そこから客席にダイブするという暴挙を行っていました。

最後の曲は静かな曲でしたし、大怪我してもおかしくない無謀なダイブで終わったということで、ライヴが終わった後には、非常におかしな空気が漂っていました。予定調和で盛り上げるのではなく、客をドン引きさせて終わるとは、ミドリはサプライズ好きなバンドだと思いました。


その後は、屋台で買った金沢のレストランのオムライス600円を食べながら、センダイガールズのプロレスを見ました。昨年イースタン・ユースの吉野さんがアラバキで仙女の試合を見て泣きそうになったと言っていたので見てみました。

リングの周りは人で埋め尽くされており、お祭りの雰囲気とプロレスは相性が良いなと思いました。試合は三試合で、一試合目は新人同士のオーソドックスな組立の試合でした。二試合目はもう少しスープレックスなどの大技が増えた試合でした。三試合目はアジャコングが出てきましたが、やはり他の選手とは存在感が段違いで、大きな歓声を集めていました。お客さんはかなりノリが良く、非常に盛り上がっていました。アンクルホールドやアキレス腱固めなどのサブミッションよりは、キャメルクラッチなどのシンプルな締め技、飛び技やスープレックスの方が盛り上がるようです。終わった後、面白かったと話し合っている人々があちこちにいました。

ただ困ったのは、まだ一時頃なのに寒くて仕方なくなってきたことです。ジャンパーを着ていても肌寒いので、これは夕方以降恐ろしいことになるなと思いました。


その後はつじあやのを見ました。ウクレレとメガネというアイテムに和みヴォイスという最強の萌えキャラなので、声を聴いているだけで気持ち良いなと思いました。個人的には、また堂島孝平とコンビを組んでアラバキに出てほしいです。今回は堂島君がアラバキに来ないので残念です。


次はthe band apart を見ました。私はこのバンドを見るのは初めてだったのですが、ポストロックやダンスロック、80年代ポップスのテイストが入り、コードやリズムが凝っているということで非常に今っぽいバンドっぽいと思いました。演奏は非常に上手いですし、センスも良いと思いました。また、ベースの人のMCが意味不明で面白かったです。


その次はフラワーカンパニーズを見ました。フラカンは相変わらず、ストレートで泥臭いパンクをやっていました。格好悪いところも格好良いという希有なバンドだと思います。


フラカンを見た後は、腹が減ったので秋田名物きりたんぽ500円とケバブカレーセット600円を食べました。きりたんぽは、米のつぶつぶ感が残る餅を焼いて甘辛い醤油を塗った食べ物でした。

その後は疲れたのでカレーを食べながらThe Hello Works を聴きました。ややソウルやブルース色のある演奏に乗せてスチャダラパーがラップを乗せるというバンドでした。途中で客に変な踊りをさせていました。ラストはジャパニーズヒップホップ最大のアンセム今夜はブギーバック」で締めていました。バタ犬で来ていたハナレグミも参加と言うことで大盛り上がりでした。やはり、こういう誰でも知っている一曲があると強いなと思いました。


その後は、マキシマム・ザ・ホルモンを見ました。さすがの人気でステージ前は後ろまで人で埋め尽くされていました。ゴリゴリでハードコアなサウンドなのかと思っていたら、案外ポップで聴きやすかったです。一曲の中でやたらとテンポやリズム、曲調が変わるので、曲の密度が濃く、飽きずに聴けて盛り上がるなと思いました。盛り上がりポイントで一斉に手を上げたり、ヘッドバンキングをするなどお約束が色々あるようで、盛り上がり方は案外アイドルノリなのだと思いました。


次の怒髪天を待っている間に雨が本格的に降り始めました。気温も下がってきたし、雨も降ってきたということで待っている時間が長かったです。


怒髪天も、ストレートで男臭いパンクバンドでした。歌詞に酒や男、また人生の悲哀などが出てくるので、歌謡曲や演歌的な世界観だと思いました。ヴォーカルの増子さんは真っ赤なシャツにリーゼントという出で立ちで、面白い仕草や表情をするなどサービス満点でした。曲の一部を長い中断を挟んで何度も繰り返す部分があったのですが、増子さんが「繰り返すこの・・・」で一度言葉を切って、最近Perfume を聴きまくっているということを恥ずかしそうに告白していました。


演奏の最中に雨は止んだのですが、また降るかも知れないし、寒かったので怒髪天を見て帰りました。斉藤和義がキューちゃんやチャットモンチービークルの面々とセッションするというので見たかったのですが、疲れていたし、あと3時間雨と寒さに耐えるのは厳しいと思ったので早々に引き上げました。おかげでバスにはすぐに乗れて良かったです。

ライヴ自体はどれも良かったのですが、昨年と比べて楽しさが足りないのは、やはり天気が曇りで、寒かったからだと思います。例年だと、湖の畔でi-depつじあやのを聴くのは最高に気持ち良いのですが、やはり天気が悪く寒いと、音楽の以外のことに気を取られて気持ちよさが大分減るようです。明日は晴れてほしいのですが。