ビジュアル系用語の基礎知識

ビジュアル系バンドのファンは、ジャニーズのファンのように、独自の文化と慣習を持っているようで、コミュニティー的な色合いが強いようです。そのため、そのようなコミュニティー的な性格をほとんど持たない非ビジュアル系のロックのファンには、なかなか理解しにくいところがあるように思います。

ビジュアル系界隈で使われる用語を丁寧に解説しているサイトがあるので、大変勉強になります。

ビジュアル系用語の基礎知識

個人的に非常に面白いと思ったのは、ライヴでファンの中に仕切役の人がいるとか、最前列に行くために交渉を行う慣習があるということです。

■最前交渉【サイゼンコウショウ】
ヴィジュアル系では、バンドが複数出演するライヴの場合、目当てのバンドの時に目当てのバンドのファンが最前列に入れるようにいろいろと取り計らう風習があります。

■仕切り
…本来は、早い番号の人が順に最前列に入って、出演者ごとに好意で各個人で交替し合うものなのであるが、なにやらその交渉が煩雑であると云う事で、イベント等において、「どのバンドが出るときに誰が最前のどこに入るのか」を管理するひとを立てる事も時にあり。主に常連とか言われる人たちが主導して、出演するバンドごとしきりをする人がメモ用紙を握り締める。そして全部のバンドを取りまとめる「総仕切り」なんてポジションもあったりして。


NANA』に出てくるナナのバンド「Black Stones」のライヴでも、このような仕切役の人が出てきたので、ファンがロリータファッションをしていることを考えても、ブラストは音楽的にはセックス・ピストルズのようなパンクバンドというよりは、ビジュアル系ロックバンドであることが分かります。

アメリカでは、パンクやヘヴィーメタルのファンもスクールカースト下層のナードとして独自のコミュニティーを作っているようですが、日本ではパンクやヘヴィーメタルファンが独自のコミュニティーを作っているようには余り見えません。日本の音楽ファンでコミュニティーを作るのは、女性のビジュアル系ファン、ジャニーズファン、あるいは男性の地下アイドルファンや声優ファンなどでしょうか。やはり世間に認知されないことが、サブカルチャーにおけるコミュニティー形成を促す一つの大きな要因になっているような気はするのですが、どうでしょうか。


参考