日曜昼下がりの代々木公園と原宿

ワークショップが終わると、私は成城学園駅近辺で食事をしようとしたのですが、高級住宅街ということもあってか、マクドナルドとドトールくらいしか手頃な店が見つからなかったので、ドトールに入り、パニーニを食べながら、もらってきたレジュメを読みました。

東京大学大学院の加藤綾子さんの「誰が音楽をメディエイトするのか メディエイタとしての音楽ライター、新たなメディエイタのデータベースシステム」のレジュメは、おそらくパワーポイントをそのまま印刷したであろうものでした。そこで面白かったのは、Funck Monky Babysは、レコード会社の担当ディレクターが徹底的に売れることだけを目指して、事務所社長やアーティストと一体となって売れるための音楽を作っていったという指摘です。彼らのターゲットは、郊外に住み、地方のイオンモール内のタワーレコードでCDを買う10-20代の学生であり、POSシステムや顧客情報収集から作られたデータベースを分析して音楽制作をしたそうです。

その後、小田急線で代々木上原駅まで行き、そこから井の頭通り沿いに代々木公園に向かいました。代々木公園には、日曜と言うこともあり、沢山の人たちが居ました。かなり白人の外国人が多かったです。アジア系外国人も多いのでしょうが、見分けがつかないので目立ってはいませんでした。やはり、外国人の大好きな観光地原宿が近いからなのでしょう。

ダンスやジャグリング、バグパイプなどを練習している人が非常に沢山いました。また、デジカメではなく、中判カメラなどを使って人物の写真撮影を行っている人もいました。

また、代々木公園はPerfumeの「マカロニ」のPVの撮影地の一つですが、地面に落ちた銀杏の葉が敷き詰められ、そこに昼下がりの柔らかい日差しが降り注ぐ公園は、まさにPVそのままでした。落ち葉で敷き詰められた地面に木漏れ日が差し、長い影が出来、風が吹くたびに黄色い銀杏の葉が舞い散る様は美しかったです。そのため、銀杏の木が密集したところでは、多くの人が写真撮影を行っていました。

また、公園では、リーゼントに革ジャンやぴちぴちのジーンズといった古風なロックロールスタイルをした人が集まり、ツイストを踊っていました。若い人もいましたが、年齢層は高めで、30代から40代くらいの人が多かったように思います。彼らがかけていた音楽も、日本のロックンロールだったので、キャロルなどを若い頃に聴いた人が踊っているのだろうかと思いました。


また、神宮橋にはやはりゴシックロリータやロリータ服を着た方がいました。ゴスロリファッションをした女性達は、橋のたもとの目立たないところに5〜6人いただけでしたが、男性2人女性1人の外国人がゴシックテイストの強いファッションをして目立っていました。また、顔にハートのシールなどをたくさん貼り、ピンクのロリータファッションに身を包んだ女の子二人が外国人に取り囲まれ、記念撮影を次から次へと頼まれていました。


また、札幌からやって来たひいらぎという3人組が、橋の上で演奏をしていました。ハーモニカにアコースティックギターで演奏し、コーラスを多用し、自己実現的な歌詞の歌を歌っていました。コーラスは大変きれいだったです。来年2月にメジャーデビューするようなので、そのプロモーションで行ったようです。

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代々木公園から原宿にかけては、パフォーマンスやファッションで自己アピールをしている人たちが多く、YouTubeニコニコ動画で日々行われていることと、代々木公園や原宿で行われていることは地続きであることを感じました。

また、原宿の竹下通りを歩きました。竹下通りには、洋服屋が多いのですが、どこも値段が非常に安く、1000円や1980円で買える服が沢山あるのが印象的でした。おそらく、客層がお金がないティーンエイジャーだからなのでしょう。竹下通りには、吉野屋、ロッテリアダイソーマクドナルドなど日本を代表する貧乏人向けショップが軒を連ねており、やはりサイゼリアもここに出店すべきではないかと思いました。全体的に安く、ファンシーで、垢抜けない服が多く、ゴスロリやゴスパン、ロリータファッションの店が多いことを考えても、竹下通りは余り大資本のにおいがしない、洗練からはほど遠い、野暮ったいところだと感じました。秋葉原もそうですが、こういった大資本によるしかけというよりは、自生的に発展したような場所の方が猥雑なエネルギーがあり、外国人にも好まれると言うのは面白いところだと思います。また、竹下通りには、沢山の黒人が立っていました。