巡音ルカ発売直後の状況

1月30日に新しいヴォーカロイド「巡音ルカ」が発売されました。発売直後の最も注目される時期ということで、作り手が大量の楽曲をニコニコ動画にアップしたため、ランキングに「巡音ルカ」の楽曲が大量に登場しています。そのような状況を見て私が感じたことは、以下の通りです。

先ず、アップされている曲の大半がオリジナル楽曲であり、カヴァー曲が非常に少ないことです。これは既に「初音ミク」などのVOCALOIDを使ってオリジナル楽曲を制作してきた人が、「巡音ルカ」を使って楽曲を作って、動画をアップしていることを示していると思います。

また、自己言及曲ではなく、純粋なオリジナル曲ばかりがランキングに上がっているし、そもそも自己言及曲は投稿自体余りされていないように見えます。これも、現在のVOCALOID 楽曲の投稿や受容の状況そのままであると言えます。

また、歌の調整が、既にかなりこなれている楽曲が多かったように思います。これは既に多くの作者が、VOCALOID の調整に精通しているからでしょうが、同時に余り調整しなくても自然に聴こえるくらい「巡音ルカ」の完成度が高いことを示しているだろうと思います。英語も歌えることから、「初音ミク」よりも使い勝手が良いのかも知れません。

発売前は、持ち物を何にするかという論争が起こったり、既にpixiv やピアプロに大量のイラストが上がるなど、キャラクターとしての側面が注目されていましたが、発売後にニコニコ動画のランキングに上がってきたのは、オリジナル楽曲ばかりであったことは、現在のVOCALOID 楽曲の制作や受容を考える上で非常に象徴的だと思います。


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