音楽専門テレビ局VIVA の危機

ドイツには、アメリカ資本のMTV 以外に、VIVA ヴィーヴァとその姉妹局VIVA PLUSという音楽専門テレビ局があります。放送の内容は、主にPV を流すことですが、チャート番組、音楽ニュース、さらにはバラエティートーク番組なども制作しています。

MTV は、すでに音楽専門というよりは、セレブ紹介や恋愛バラエティー、素人チャレンジものなどのバラエティー番組が主になっているので、個人的にはMTV よりもVIVA の方を良く見ています。

また、VIVA の良いところは、毎週Overdriveという番組で、様々なアーティストのライヴを丸ごと放映することです。この間はPapa Roach のライヴが放映されていましたが、ロックからヒップホップまで、様々なジャンルのアーティストのライヴを放映しているので、結構楽しみにしています。というわけで、私はどちらかと言うとVIVA 派です。

しかし、私は気づかなかったのですが、このVIVA は経営難に陥っていたようで、いつの間にかMTV の親会社であるViacom というアメリカの巨大メディア企業に買収されていたようなのです。そのため、現在VIVA 内部では、職員の大半が解雇されるのではないかなど、不安が広がっているようです。

私がこの合併に気が付いたのは、VIVA「Fast Forward」という番組の司会者をしていたCharlotte Roche が、番組が打ちきりになる前に自分から番組を降板してしまい、それがニュースとして報道されたからです。


Charlotte Roche は、快活で、さっぱりしたキャラクターが人気の司会者で、VIVA というテレビ局のいわば顔とも言うべき存在でした。彼女が担当していた「Fast Forward」は、ドイツのテレビではほとんど唯一といっても良い、インディーやオルタナティブロックを掛ける番組で、彼女は英語も達者でインタビューも上手、音楽の知識も豊富と言うことで、評価の高い司会者でした。

以前から「Fast Forwad」が打ちきられるという噂は出ていましたが、これが買収絡みだとは知りませんでした。Spiegel が伝えるところによれば、彼女は「こんなとんでもないフラストレーションの中、カメラの前に立つなんて、いかれてると思います」と言って、この前の月曜から、番組の司会者をボイコット、ストライキをしているそうです。VIVA の人気者のストライキということで、今回、買収の際のもめ事が、大きく取り上げられたわけです