舞台役者さんは、とても大変な仕事だと思います。

今日は、Theater in Pumpenhaus (プンペンハウス劇場)という郊外にある小さな劇場で、演劇を見てきました。私はおよそ演劇など見たことがないのですが、一般13ユーロ、学生9ユーロと、こちらでは大変安く演劇が見られるということで、帰る前に一度くらい見てみようと思ったのです。

プンペンハウスは、大変小さな劇場で、収容人数は100人ぐらいのようでした。ここは、劇場とは言っても、普通の広い部屋に段を作って椅子を置いてあるだけでした。舞台は存在していないので、一列目の席に座ると、役者さんと同じ高さ地平で演劇を見ることになります。

今日見た演劇は、ベルギーのMechelen という都市のAbattoir Fermé という劇団の「Galapagos」という演劇です。男性一人、女性一人に、極簡素な舞台装置だけで行われるという、大変シンプルな演劇でした。

ストーリーは、正直さっぱり分かりませんでした。演じているのがベルギーの方と言うことで、台詞が全て英語だったので、そもそも台詞が良く分かりませんでしたし、話の筋やキャラクターがかなり錯綜しており、突然話やキャラクターがまるっきり変わってしまうので、全体として何をやっているのか良く分かりませんでした。この演劇にはディアローグがほとんどなく、全編ほとんど役者のモノローグで構成されていたので、台詞が聞き取れないとどうにもなりません。

ただ、へんてこなホテルの話や、アステカの都市の話や、透明人間の話や、進化や自然選択の話や、母と奴隷の息子の話や、ゲイやシーメールの話などが入り交じっていたので、台詞が全部分かっても内容は良く分からなかったような気もします。

というわけで、私は役者さんの演技をもっぱら見ていたのですが、女性の方は、泣く場面では本当に涙を流して泣いていたので、プロは凄いなあと思いました。ちなみに英語はかなり上手かったです。

また、男性は鎖に逆さ吊りにされたり、ヒモで縛られて、肛門にピンポン玉を入れられたり、自分の喉に指を突っ込んで実際に吐瀉するなど、かなり身体を張った演技をしていました。

私はこのような演劇を見慣れていないのでなんとも言えませんが、こういう余りお金が儲かりそうになく、労力の割には報われそうにないものというのは、何となく親近感が湧くというところもあり、楽しく見ることが出来ました。