資生堂ギャラリーと経費

企業文化部課長故西村彰:例えお金を取ったとしても、普通の美術館でも企画展だと入場料は総経費の1割くらいですよね。

岡部:いろいろあって、企業や私立の美術館、個人美術館などで、50%ぐらいまでいくところもあります。経営の仕方にもよりますが、公立は大体10%ぐらいでしょうか。

西村:そんなもんですよ。五百円でも千円でもトータルすると大したことはないんですよね。

岡部:イギリスのように、多くのミュージアムが無料というところもあるし。

西村:難しいですよね。でも50%はいくかなあ。

西村:安田火災の美術館でも10%くらい...入場料はそんなもんですよ。まあ、沢山何十万人も入れば別ですけどね。

岡部:で、ここは入場料収入はなしですね。

西村:なし。

樋口:計上利益の1%が目安になっています。芸術文化支援、ギャラリー運営費等すべて含めて1%が一つの目安です。ですから売り上げが落ちれば、当然活動資金も減る。

岡部:それが方針ですね。

樋口:というより目安です。極論ですが、会社が赤字になってもうちの部署の予算がゼロにはなりませんし。

(中略)

岡部:それに美術館もアートスペースも資生堂の持ちものですよね。

樋口:はい。これを借りていたら、とんでもないです。

岡部:そうですね。聞いたところでは、初台のオペラ・シティにあるICCは家賃がとてつもなく高くて、それで当初の予算枠で続けるのが難しいそうです。資生堂の場合はほとんどが事業費ですね。

樋口:はい、そうです。

西村:展示の会場費を含まないにしても、昔ギャラリーをやっていたときの、年間展覧会費用は7千万円くらい?

樋口:7、8千万くらいです。

西村:アートスペースもそれくらいです。

(中略)

岡部:ギャラリーに来ているお客さんのカウントはしていますか?。

樋口:してますよ。アートスペースで年間平均3万人くらいですね。

岡部:企画展は年に何本くらいですか。

樋口:年間8〜9本ですかね。

岡部:というと、一回3000〜4000人くらい。

樋口:そうですね、一日150〜200人くらいです。

資生堂ギャラリーインタビュー


やはり、美術館において入場料収入は、非常に少ないようです。公共の美術館ならば国や地方自治体からの助成、あるいは協賛企業からの支援金で賄うのでしょうか。また、銀座の一等地にあるギャラリーでも、来訪者が年間でたった3万人くらいなのですね。