夕張市立美術館の経費

美術館:心配される収蔵品の行く末 北海道夕張市
夕張市立美術館の閉館を前に整理が進む収蔵品=昨年12月、吉田競写す

 北海道夕張市財政再建団体移行に伴い、3月末で閉館する市立美術館の収蔵品の行く末が心配されている。倉庫に保管するだけでは作品が傷む恐れがあるからだ。美術館側は市民の発表の場として展示機能を残し、存続と作品の管理が出来ないか模索を続けている。

 同美術館は79年2月に開館。道内の市立美術館の中では網走に次いで2番目に古い。北炭社員の傍ら夕張を描き続けた一水展会員の故畠山哲雄画伯(1926−1999年)の油絵、スケッチ画など約450点のほか、市内の絵画サークルの炭鉱絵画、彫像など600点余りの計約1000点を所蔵している。

 市民の文化活動の拠点の一つだったが、年間20〜25万円の入館料収入に対し、電気代などの維持費に同250万円かかる赤字施設だった。


以前ご紹介したとおり、公立美術館の入館料収入は総経費の10%程度なので、維持費が250万円で、入館料収入が20〜25万円というのは、標準的な美術館と変わりがありません。おそらく、250万円というのは純粋な維持費で、人件費などを含めたそれまでの総経費はずっと多いでしょうから、入館料収入の比率は普通よりもかなり小さいとも考えられます。しかし、いずれにせよ、入館料収入が総経費を上回る黒字の美術館などというものは例外的にしか存在し得ないわけで、入場料収入の金額それ自体は、それほど大きな問題ではないと思います。それにしても、たった250万円でさえ出せないとは、財政破綻した地方自治体は、これほど悲しいことになってしまうのですね。

bewaad さんの書いた記事を読んでみても、地方には本当に希望がないなと思います。