「第38回仙台デザイン専門学校卒業制作展」と「宮城大学空間デザインコース卒業研究・制作展」

せんだいメディアテークの図書館に行った際に、ついでにギャラリーも見てきました。この間見た東北の六つの大学合同展が存外に面白かったので、今回も卒業展覧会を見てきました。

一つ目が、「第38回仙台デザイン専門学校卒業制作展」です。ある商品の広告や商品デザインやインテリアデザイン、建築デザインなどが展示されていました。これらを見て思ったのは、2年勉強するだけで、ずいぶん実力がつくのだなあということです。私は、デザインのことは良く分かりませんが、大半の作品は、普通に街や店で見かけても、違和感がないような、「それっぽい」ものでした。おそらく、プロの方々から見ればまだまだなのかもしれませんが、素人目にはプロのデザインとの違いは良く分からないと思いました。中には、非常に面白いと思う作品もありました。たとえば、スポンジ・ボブのポスターでは、本物のスポンジの写真の上にボブの顔を重ねたデザインがされていました。これなどは、見た目もインパクトがあるし、かなり良いデザインだと思いました。今は、コンピューターソフトを使えば、誰でも簡単に「それっぽい」作品を作ることができるのだろうと思わされました。

もう一つが、「宮城大学空間デザインコース卒業研究・制作展」です。この空間デザインというのは、建築に実用性だけではなく、何らかの付加価値をつけるというものらしいです。最近の流行なのか知りませんが、見知らぬ者同士が、思いもよらず出会ったり、ふれ合ったり出来る構造を持った建築が多かったように思います。ただ、建築内外の導線をコントロールして、人と人とがすれ違ったり、互いに認知し合うようにしても、それはコミュニケーションにはならないし、そういう建築を求めている人は少ないのではないかとも思いました。

あと思ったのは、空間デザインのコンセプト自体は、色々な工夫がされていると思いましたが、建築のデザイン自体は、相変わらずのモダニズム建築というところが悲しいなと思いました。私はコンクリートや鉄筋でできた建築が好きではないのですが、やっぱり今後もそういう建築ばかりが作られるのだろうと残念に思いました。