音楽市場でパッケージは、配信に取って代わられることは確定している。

日本では、CD の売り上げが低下して久しいのですが、基本的にパッケージは、これからますます廃れていくことは間違いがないだろうと思います。CD に代表されるパッケージが、現在配信されるメディアに比べて優位な点は、1.音質 2.実体があること*1だと思います。

CD は、すでに誕生から20年以上が経った古いメディアです。レコーディング現場ではすでにCDより遙かに高音質な音源が制作されているので、CD の音質はオリジナルと比べると非常に悪いと言うことになります。しかし、CD という規格を変えない限り、音質の向上はそれほど望めません。しかし、SACDDVD-AUDIO というより高音質なメディアへの移行はすでに失敗したので、パッケージメディアの音質向上は、すでに事実上ストップしたと言えます。

ネット配信の場合は、音源の音質を向上させることに技術的な困難は特にないでしょうから、それほど遠くない未来にパッケージメディアとネットで配信される音源の音質が逆転することは、ほぼ確定していると言えます。つまり、良い音で音楽を聴きたければ、CDを買わずに、ネットで音源を買わないといけない時代が来るわけです。現在存在する音質の有利がなくなると、もうパッケージメディアの優位は、所有欲をそそられることだけになります。しかし、中味(音源の音質)は低品質なのに、わざわざ配信音源の倍の値段を払う人は、それほどいないでしょう。そのため、近い将来、パッケージメディアは、今のレコードのような一部の好事家が購入するものになるのではないかと思います。

もちろん、ネットや携帯を活用しない中高年世代は、パッケージメディアでしか音源を購入しないでしょうから、すぐにパッケージがなくなるということもないでしょうが、10年20年という単位で見れば、やはりパッケージメディアは消滅して行かざるをえないことは、すでに決定されているのではないかと思います。

*1:ジャケットの美しさやモノとして手で触れるなどなど、購入者の所有欲がより満たされること。