「装苑」を買い、sasakisanのカメラを見る。

パルコの地下にあるリブロに行き、洋書を眺めてきました。「RAW VISION」があるかと思ったらありませんでした。昔は置いてあったのですが。美術雑誌は、以前と比べると大分減った気はしました。

また、同じフロアで古本市がやっていたので、「装苑」の1954年8月号を500円で買いました。この頃の「装苑」は、まだ服飾メーカーの既製服を紹介し、広告料で儲けるという現在のファッション雑誌とは全く異なり、自分たちでデザインし縫製した服を載せ、読者に作り方を教えるという半実用雑誌になっています。カラーページはほとんどなく、写真も少なく、文字や図の多い地味な雑誌になっています。

しかし、中原淳一がデザインした水玉模様に縦に走るフリルのついたプリンセスラインのドレスなどは、大変洒落ています。

また、同じフロアの片隅にあったギャラリーでは、sasakisanの展覧会がやっていました。sasakisanは、いろいろなトイカメラを作っているそうで、本のかたちをしたカメラも売っていました。また、壁に飾られていたヘタウマ写真も良い感じでした。

タワーレコードに行くと、まだ買っていなかったトルネード竜巻の旧譜を確保しました。「One night robot kicks the rock」と「Analog Man fill in the blanks」です。私は以前どこかのインディーズサイトでダウンロードした「Glass Elevator」を、今でも良く聴くのですが、やはり音源を買おうと思ったのです。

タワーレコードの上階の本屋には「Raw Vision」がありましたが、値段が高く、内容も面白くなさそうだったので買いませんでした。

パルコやタワーレコードBunkamuraなどは、80年から90年代にかけての日本のサブカルチャーの中心地だったわけですが、高い洋書や珍しいCDを買うことが、文化的な行為、あるいは消費による自己実現だと信じられていた時代はとっくの昔に終わり、美術やマイナーな音楽は、ただ単にほとんどの人にとって何の価値もない、世の中から存在しないと見なされているものになったという感じはします。ただ、今でも美術書を熱心に買ったり、ギャラリーに行ったり、マイナーなCDを買ったりする人は、本当に好きな人でしょうから、それはそれで良い気もします。ただ、青山ブックセンターもつぶれましたし、リブロやタワーレコードがいつまで生き残れるのか、心もとない気はします。


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One night robot kicks the rock

One night robot kicks the rock


AnalogMan fill in the blanks

AnalogMan fill in the blanks