2009-01-01から1年間の記事一覧

supercell は何故売れたかという問いは適切か

「Waste Of Pops 80s-90s」さんで、supercellが売れた理由が良く分からないと書いてありました。その理由はもの凄く単純で、supercell のryoさんが現在のVOCALOIDのプロデューサーでダントツに人気があるプロデューサーさんだからというものになるでしょう。…

宇宙風呂P 「銀河」

宇宙風呂P の新曲「銀河」は9分を越える大作です。不安定なメロディー、レトロなシンセサイザーの音色など、見事なプログレッシブロックになっています。 【ニコニコ動画】【巡音ルカ】銀河【オリジナル】

アーバンギャルドとMOSAIC. WAV

アーバンギャルドは、印象的なビジュアルデザイン、童貞処女を売りにしたり、ジャケにトレヴァー・ブラウンを使ったりすることなど、ミドリや昔の椎名林檎のようなあざとさを売りにしつつ、大槻ケンジ的アングラさと相対性理論のようなシブヤ系的おしゃれさ…

1000SAY 「LOSTMAN」

男女ツインヴォーカルのダンスポップバンド1000SAYの「LOSTMAN」は、四つ打ちリズムとシンセサイザー、キャッチーなメロディーが揃ったいかにも00年代的な一曲です。道具立て自体は、もはやありふれた流行ものという感じで特徴がないのですが、生ドラムによ…

初音ミクの分裂

1. はじめに私が「主体は『初音ミク』ではなくプロデューサーさん」を書いたとことに端を発し、id:GiGirさんが「初音ミクという神話のおわり」を書いたことで、初音ミクに対する人々の意識が変化していることが、ネット上の極一部の人々の間で知られるように…

アリソン・クラウスが日本でも有名になれば良い

アリソン・クラウスと言えば、数え切れないほどのグラミーを取ってきたアメリカのブルーグラス界の頂点に立つ、現在のアメリカを代表する女性歌手ですが、日本では無名だったと思います。しかし、ロバート・プラントといっしょに作ったアルバムがこの間のグ…

ハロプロ楽曲

最近ハロプロ関係で良い曲が色々出てきています。「Waste Of Pops 80s-90s」さんで紹介されていたBuonoの「ゴール」という曲は、YouTubeのコメントでも突っ込まれまくっているように、Coldplay の「Viva La Vida」のアレンジを流用して作られた曲です。乾い…

ニコマスとコミュニケーション

七夕革命以降のニコマスPVの質の向上は目覚ましく、ほとんど常軌を逸していると言っても良いくらいのところまで来ていると思います。しかし、PVの質が向上するのに反比例するかのように、余りアクセス数が伸びなくなっているようです。これは何故かと考えた…

トルネード竜巻活動休止

http://www.tornadotatsumaki.com/ orz 最近、サカナクションや相対性理論がアルバムをオリコントップ10に送り込み、他にものあのわやschool food punishment のような有望バンドが控えている中、一捻りした音楽性とポップさを兼ね備えたバンドの代表格であ…

最近Napster で良く聴いている曲

ブログではVOCALOID のことばかりを書いていますが、別にVOCALOID の曲ばかりを聴いているわけではありません。ちなみに最近一番聴いているVOCALOID は、かえる自転車さん (ケトラP) の「カドルヴェイン」で使われている重音テトです。 私が最近Napster で聴…

巡音ルカでネタ曲よりオリジナル曲の方が人気が出た理由

現在、「巡音ルカ」を使った楽曲がニコニコ動画のランキングを席巻していますが、そのほとんどはキャラクター的要素やネタ的要素のないオリジナル楽曲です。これは、「初音ミク」や「鏡音リン/レン」、「がくっぽいど」が発売されたときとは、かなり異なった…

巡音ルカ発売直後の状況

1月30日に新しいヴォーカロイド「巡音ルカ」が発売されました。発売直後の最も注目される時期ということで、作り手が大量の楽曲をニコニコ動画にアップしたため、ランキングに「巡音ルカ」の楽曲が大量に登場しています。そのような状況を見て私が感じたこと…

Lady Sovereignの「Those Were the Days」と「夕暮れチロリロリン」

「夕暮れチロリロリン」と同様の構造を持った楽曲を考えた場合、個人的に近いと思ったのは、Lady Sovereignの「Those Were the Days」です。レディ・ソヴァリンのこの曲は、ヒップホップにしてはリズムが単調で音量も小さめで、ソウルフルでメロウなギターの…

物寂しい「夕暮れチロリロリン」

私は、ニコニコ動画で「夕暮れチロリロリン」を聴いて、MAD的な音楽には色々な可能性があるなと思ったのですが、それはこの曲が、物寂しさや切なさを感じさせるものだったからです。 台詞を切り張りしてヴォーカルトラックを作るという手法は、ムネオハウス…

「Seventh Heaven」 feat. jamバンド

先日「Music Maker」というDAWソフトを手に入れたので、早速一曲作ってみました。「Music Maker」のマスコットキャラクターになっている jamバンドのメンバーのvoiceデータとPerfumeの「Seventh Heaven」のバックトラックを使わせていただいて、MAD的な方法…

THE IDOLM@STER WAKAMURA RECYCLE VOL.03 (Dance! Dance! Dance!)

「i@mas新年会」の中で、ついに「WAKAMURA RECYCLE VOL.03」が公開されました。既に超高品質な単品動画を数多く公開していたわかむらPですが、それらをまとめ、さらに多数の新作も投入して作られた今回の動画は、唖然とするより他ない動画編集技術の粋を尽く…

アイマス新年会〜27時間無礼講SP

昨年ニコニコ動画で、超大規模イベントである「24時間アイマスTV!〜みんなまとめてアイドルマスター〜」が行われましたが、今年はさらに時間が長くなり、「アイマス新年会〜27時間無礼講SP」が開かれています。ニコマス界隈の団結力の凄さを、まざまざと…

伊藤剛さんによる「キャラ」と「キャラクター」

既にキャラクター分析の古典としての地位を確立している伊藤剛さんの『テヅカ・イズ・デッド』(NTT出版、2005年) ですが、初音ミクのキャラクター的側面を捉えるためには、井手口さんが利用していた東浩紀さんのデータベース理論と共に、参照することが必要…

ケトラPの重音テト曲

UTAUという音声合成ソフトを使って作られたヴォーカロイドが重音テトです。ケトラPは、この重音テトを使って作った曲を発表しているプロデューサーさんです。この方の作る曲は、インディーロック的な曲調のものが多いです。個人的には、ニコニコでインディー…

井手口彰典さんによる「萌えのマトリックス」

「國文学」2008年11月号の「特集『萌え』の正体」で、井手口彰典さんが、「音楽萌え −その諸相と東方・初音ミク−」という論考を寄せています。この論考の肝は、東方プロジェクトや初音ミクといった事例研究と言うよりも、音楽と萌えの関係を概観する分析フレ…

2008年の10曲

皆様、明けましておめでとう御座います。本年もどうぞよろしくお願いいたします。2008年の音楽界を振り返ってみると、個人的には、自分の好みの曲やアーティストを手軽に見つけることができるインフラが揃ったため、自分の好みの曲を沢山見つけて聴くことが…